キーボードこだわり概論
わたし自身もそうだが、一般にキーボードに対する「こだわり」は大きく 2 つある。まず何より配列。次がキータッチ。どんなに心地良い叩き具合であっても、慣れた配列でなければ、しょっちゅうイラッとくる。だから配列が最優先。
パソコン用のキーボード配列には大きく 2 種類ある(PC であれ Mac であれ)。1 つは US 配列とか英字配列と呼ばれるもの。もう 1 つは JIS 配列あるいは日本語配列と呼ばれるもの。わたしは前者を好む。っていうか後者は使わない。「イラッとくる」から。最下段に変換、無変換のような時代遅れのキーが配置されているだけならまだしも、最上段の記号の位置が微妙に異なる。Enter キーの形状もおかしい。とにかく、JIS 配列は使わない。
キータッチにはいろいろとあるようだけど、配列の方を優先させるものにはこだわれるほどの選択肢はない。Mac ユーザだとさらに狭まる。加えて、かつてわたしは最高のキータッチのキーボードに出会ってしまっている。キータッチに関しては、あれ以外はすべて「にせもの」「まがいもの」だと感じる。「あれにくらべれば、どれも一緒、大差ないよ」と思ってしまう。
それは、昔の IBM 製 PC のために作られた日本語キーボード。パソコンがとても高い製品だったころのもの。今では手に入らないだろう。持っている人は幸運だ。わたしのいた会社では 106 キーボードと呼ばれていた。軽い叩き心地に、ほどよいストローク。何より音が良い。叩いている本人はもちろん、周囲にいる人の耳にも心地良い音だった。ただし、日本語キーボードだったから、わたし自身が使ったのはごく短期間。すぐに US 配列の 101 キーボードに乗り換えた。
今回、Realforce 86U に求めたのも上記 2 点。まずは配列。次がキータッチ。
第一印象
この 86U は US 配列なので、第一関門はクリア。ただし、一口に US 配列とは言っても微妙な差異がある。具体的には最下段のスペースバー以外のキー、Mac OS X では修飾キーと呼ばれるキー群にその差異が現れる。Apple 純正キーボード(US)の場合、ここには[Control]、[Option]、そして[Command]の 3 種類のキーが並ぶ。コンパクトタイプなら[Fn]もある。わたしの場合、[Control]が最重要、続いて[Command]。[Option]については妥協の余地あり。
では、86U の最下段のキー配列を見てみよう。こんな風(↓)に並んでいる。
[Ctrl][W][Alt][ Space ][Alt][AP][Ctrl]
[Ctrl](つまり[Control]) が両側かつ両端にあるのは good。ま、そうでなかったら買っていない。Emacs のキーバインドに慣れたものにとって [Ctrl] の位置は最重要。世間ではなぜか [Caps Lock] の位置に [Ctrl] を置くのが人気のようだけど、わたしは最下段のなるべく外側にないと困る。とても困る。両端ならベストポジション。ちなみに、Controlキーは指で押すもんじゃない。両方の小指のつけねというか手のひらの端というか、その辺りで押すものだ。そうすると両手に負荷を分散できる。(ノートタイプの場合は事情が変わる。)
スペースバーのすぐ外側にある[Alt]は、OS の設定で[Command]に替えよう。キーとしてはこの位置、この大きさで good。
[W] は Windows キー、[AP] はアプリケーションキー(以下、AP キー)。
どちらも Mac には不要のもの。むかしはこんな余計なものは付いていなかった(十数年前)。ここに欲しいのは[Option]なんだよねえ。
キータッチは・・・「最高のあれ」と同じ感触でないことは確か。だからといって、ダメだってことでもない。今も 86U でこれを書いているが、こればっかりはしばらく使ってみなければ評価しにくい。ただ 1 つ、今の段階でも言えることは、音は悪いってこと。ストロークの深さも機構も違うから、比較してもしかたがないけど、今まで使っていた Apple Wireless Keyboard の方が音はマシ。
さて、箱から出して実際に使おうとすると、いくつか問題に遭遇した。
問題点 #1: 不要なキー
さて、Mac ユーザには意味のない AP キーだが、どうやら OSX には[Enter]のように見えるらしい。修飾キーだとは思ってくれていない。つまり、[Option]の振りをさせられないってことだ。
解決策
なし…orz
不用意に触れて [Enter] が入力されるのもうっとおしいので、Realforce の DIP スイッチで AP キーを無効にしておく(SW4 → ON)。押しても何も起こらない。ムダなキーだ。
問題点 #2: おかしな挙動
Mac OS X ではキーボード上の修飾キー([Command][Option][Control][ および [Caps Lock])をそれぞれ入れ替えることができる。この機能を使って、86U の修飾キーの機能を以下のように入れ替えた。ちなみに、Alt キーは[Option]、Windows キーは[Command]として認識されていた。
| Option | → | Command |
| Command | → | Option |
ここで問題が起きた。この設定だと右側の[Alt]が[Command]キーとして機能しないのだ。なぜか[Alt](つまり[Option])のまま。これには困った。OS が悪いのか、86U が悪いのか(仕様? 故障?)。
解決策
しばらく悩んだ末、回りくどい方法だけど解決できた。以下にその方法を示す。
- Realforce で
[Ctrl]と[Alt]を入れ替える。(SW3 → ON) - OS の設定で
[Control]を[Command]に、[Option]を[Control]に入れ替える。
不思議なもので、これだと右側の Alt キーもこちらの意図どおりに機能する。原因は不明。試行錯誤の末に見つけた、その場しのぎの方法だ。ま、使えれば良い。
先に入れ替えてあった、[W] → [Option]と併わせて、ほぼ望みどおりの配列になった。[Option]が左側にしかないのは気に入らないけれど、こいつは[Option] + Spaceしか使わないので、十分妥協可能。ちなみに、このキーで Spotlight 検索の小窓が開くように設定してある。

0 件のコメント:
コメントを投稿