Google Wave が開発終了になるらしい。ちょこっと試したことがあるだけだから Wave 自体に思い入れはないけど、Google Notebook の開発が終了したときのことを思い出した。
「収益が上がらないから、この領域から撤退します」っていう姿勢は企業として当然のものだけど、Google の製品にとっての収益ってなんだろう? Google 自体の収益は主として広告収入だろう。けど、検索を別として、Google の個々の製品で直接広告収入に結びついているものはあるか?
たしかに Gmail には広告が出る。けどその他は? Google Reader で広告なんて見たことない。Picasa にも広告は出てこない。Google Docs も Google Calendar も広告は表示されない。Blogger も Google Sites もサービス自体が広告を流し込んだりしない。
Google には使命がある。「世界中の情報を整理」するためには、既存の情報を取り込むと同時に、これから作られる情報も迅速に集めなければならない。そのためには Google から見えないところで、Google の手の届かない形で作られるよりも、Google が提供するサービスで、Google に蓄える形で作ってもらう方が余計な手間が省ける。Gmail を始めとするこれらの製品(サービス群)はこのためのものだろう。言わば、The computer としての Google に効率良くインプットするためのもの。使命の後半「世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」ことは「検索」サービスで実現する。
検索結果の一部やコンテンツ自体に埋め込む形での広告で収益を上げられるなら、インプットとしての他サービスに広告を表示する必要はないはず。広告を表示しない製品(サービス)は直接収益には結びつかない。ならば、製品の成功失敗をどうやって評価しているのだろう?
(Update on Google Wave より)
But despite these wins, and numerous loyal fans, Wave has not seen the user adoption we would have liked. We don’t plan to continue developing Wave as a standalone product, but we will maintain the site at least through the end of the year and extend the technology for use in other Google projects.
これ(↑)を読む限りではユーザ数が基準の一つになるようだ。つまり、Google Wave はユーザに人気がなかった、と。ま、新しいコミュニケーションを求める人たちは twitter に流れたってことかな。
振り返って考えると、Google Notebook もユーザを集められなかったんだろう。最近の Evernote の隆盛を見る限り、もう少し続けていれば人気も出たかもしれないのにと、かなり残念に思う。
(Google Wave to Be Discontinued より)
Google Wave had a lot of potential, but Google didn't manage to build a compelling user experience and define some use cases for the application. Instead of building a general-purpose interface for Google Wave, Google could've used the platform to create multiple applications with clearly-defined goals: a new version of Google Chat, a new version of Google Docs, a brainstorming app etc.
「新しい Google Chat や、新しい Google Docs や、ブレスト用アプリになれたかもしれないのに……」。なんか、ちょっと切ない。
関連リンク
関連記事