今回は、GData Objective-C Client Library (以下、GData ライブラリ) を使って、Blogger で作ったブログの記事一覧を取得するところまでを作ってみる。
サンプルプログラムがドキュメント
残念ながら公式ドキュメントは充実しているとは言い難い。参考になるのはサンプルプログラム、そしてライブラリ自体のソースコードだ。
Blogger API のサンプルは充実していて、API を使ってやれることは一通り網羅されている。Google アカウントでログインさせた後、ブログの一覧を表示する。一覧からブログを選ぶと、次は選んだブログの記事を取得し一覧で表示する。記事一覧から記事を選べば記事の内容(とコメントがあればコメントも)表示する。記事の内容は更新することも可能になっている。UI こそ単純なテーブルとテキストフィールドを組み合わせたものだが、機能的には Blogger 専用のブログエディタと言っても良いぐらい。
MacBloggerGlass として作りたいと思っているモノの骨格はこのサンプルにある。言い方を換えれば、データの取得やその保持に関してはライブラリに任せてしまえば良いということになる。アプリの作り手としては、ユーザ体験とそれを実現する UI のデザインに専念すれば良い、と。
ま、そのライブラリの使い方を解明するのが、ちょっと大変なんだけどね。Python のライブラリより複雑っていうか、癖があるっていうか。慣れていないだけかな。
MacBloggerGlass のプロトタイプ
右のスクショが今回作ったプロトタイプ(のかけら)のウィンドウだ。使い方は単純、Blog ID を入力して Read ボタンを押すだけ。Blog ID のブログに蓄えられた記事の一覧を取得してウィンドウのテーブルに表示する。使い方同様、機能も単純だ。ちなみに、スクショはこのブログの記事を取得させたときのものだ(Blog ID はダミー)。
以下が今回書いた主要部分になる(MacBloggerGlass/AppController.m より抜粋)。getFeed
が Read ボタンが押されたときに実行されるアクションになる。
- (IBAction)getFeed:(id)sender { NSString *blogID = [blogIdField stringValue]; if ([blogID length] == 0) return; [feed removeAllObjects]; NSString *blogPostURL = @"http://www.blogger.com/feeds/%@/posts/default"; NSURL* feedURL = [NSURL URLWithString:[NSString stringWithFormat:blogPostURL, blogID]]; NSLog(@"%@", feedURL); GDataServiceGoogleBlogger *service = [self bloggerService]; GDataServiceTicket *ticket; ticket = [service fetchFeedWithURL:feedURL feedClass:[GDataFeedBlogPost class] delegate:self didFinishSelector:@selector(blogPostsTicket:finishedWithFeed:error:)]; } - (GDataServiceGoogleBlogger *)bloggerService { static GDataServiceGoogleBlogger* service = nil; if (!service) { service = [[GDataServiceGoogleBlogger alloc] init]; [service setShouldCacheDatedData:YES]; [service setServiceShouldFollowNextLinks:YES]; } return service; } // blog feed fetch callback - (void)blogPostsTicket:(GDataServiceTicket *)ticket finishedWithFeed:(GDataFeedBase *)afeed error:(NSError *)error { GDataFeedBase *blogFeed = [afeed retain]; int count = [[blogFeed entries] count]; for (int i = 0; i < count; i++) { GDataEntryBase *entry = [blogFeed entryAtIndex:i]; Entry *e = [[Entry alloc] init]; e.title = [[entry title] stringValue]; e.date = [[entry publishedDate] stringValue]; [self willChangeValueForKey:@"feed"]; [feed addObject:e]; [self didChangeValueForKey:@"feed"]; } }
GData ライブラリの使い方の概略は、(1) 利用するサービス(Blogger 等)に対応した GDataServiceGoogle
の派生クラスをインスタンス化する、(2) API が返すデータ(Atom フィード)を受け取るクラスを指定して (1) のインスタンスに対して fetchFeedWithURL:feedClass:delegate:didFinishSelector
を呼び出す、となる。このとき、didiFinishSelector
として、データ取得が完了したときに呼ばれるコールバックメソッドを指定する。
上記のコードでは、65 〜 76 行目の bloggerService
がサービスクラスをインスタンス化している部分で、58 行目がデータ取得のための呼び出しになっている。また、コールバックは 79 〜 95 行目の blogPostsTicket:finishedWithFeed:error
を指定している。
もとのサンプルでは、Google アカウントとパスワードを入力させてユーザ認証を行っているが、今回のプロトタイプではユーザ認証は省いている。そのために fetchFeedWithURL:...
にわたす URL を 51 行目で指定している。アドホックなやり方だと思うが、スマートな(というかライブラリが想定している適切な)方法を調べ切ることができなかったのでこうなった。
表示するブログの選択についてはユーザ体験の観点からどうすべきかを考える必要がある。ブログ ID 自体を指定させる方法が使い易いとは思えないから。ま、おいおい。
関連リンク
- Introduction to Google Data APIs for Cocoa Developers (gdata-objectivec-client 公式ドキュメントより)
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