2010-09-13

ebook を作ってみよう

ネタはこの本の第4章「ePub形式の電子書籍を作る」。ePub フォーマットの説明に始まり、オーサリングツールを使った epub ファイルの作成までを説明している。

iPad電子書籍アプリ開発ガイドブック
中島聡, まえだひさこ, 新井英資, 向井領治, 大原ケイ, クレイグ・モッド
インプレスジャパン ( 2010-08-23 )
ISBN: 9784844329060
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

ePub とはどんなフォーマットか

(iPad電子書籍アプリ開発ガイドブック; p.267より)
結論を先に言えば、現在の ePub 2.0 で制作できるコンテンツは、XHTML 1.1 と CSS 2.0 に準じた、数年前の Web ページと同レベルというイメージです。

(X)HTML だと言うのは少し意外だった。ページの概念を排除したウェブとページ前提の ePub では、いろいろと違うはずだと思い込んでいたのだ。これは言い換えれば、Safari や Firefox と言ったブラウザにもページの概念を持ち込むことができる、ということにならないか?

まあ、ページのことは別にしても、ePub をブラウザで表示できても良いよな。実際、Firefox には ePub を読み込んで表示する機能拡張が存在するし(→ EPUBReader)。

試しに ePub ファイルを作ってみよう

何事も自分で試してみると理解が進む。この LOG+REPO の記事をいくつか ePub ファイルにまとめてみることにした。

始めは、↑の本を参考にしつつ、手で XHTML と XML を打ち込んでみたが、どうにもエラーばかり出てしまうので、オーサリングツールを使うことにした。ツールは、↑の本で説明されている eCub だ。

↑の本の記述(p.283 からの「4-3-3 eCubプロジェクトを作る」)にしたがって作業すると、コンテンツになる XHTML のインポートで「UTF-8 からは変換できない」というエラーが出たり、目次に入る XHTML のタイトルが文字化けしてしていたり、と若干の問題があったものの、何とか logrepo.epub を作ることができた。

iTunes 経由で iPhone、iPad に転送してみたが、ちゃんと iBooks で読める。Safari で見る場合とくらべて、大きく見た目が変わるわけではないが(CSS は適当にでっちあげたし)、スクロールではなくページ送りで読むのは新鮮な感じを受ける。

これも自炊の一種か?

ネットの一部(2ch 界隈)では、紙の本を裁断してスキャナで電子化することを「自炊」と呼ぶ。元が紙かどうかの違いはあるが、ネット上のコンテンツを ePub 化するのも自炊と呼んでも良いだろう。無論、著作権等の扱いには注意を払うことを前提にして。

コンテンツを丸ごと配布できるというのは、現在のウェブにはないメリットだ。いまのところ、オフィスや自宅にいるときを除けば、本当の意味でネットに常時接続していられる環境はまだない。3G にしろ、無線ホットスポットにしろ届かないエリアは少なくない。東京でも地下鉄に乗ったらもうあきらめるしかない。あらかじめコンテンツをデバイスに詰め込んでおく方法は、これからも当分の間はすたれたりしないだろう。

むしろ、配布するシステム側が ePub に対応するのはどうだろう? たとえば、Apache が ePub をウェブリソースとして認識して、丸ごとのダウンロードにも個別のページの配信にも対応する。iPad や iPhone は丸ごとダウンロードして iBook などに詰め込み、Mac (や PC) のブラウザは個別のページを要求して、従来どおりの表示を行う。

ま、少くとも自分のブログを ePub 化することには何の問題もない。配布したって大丈夫。むしろ、iPhone や iPad で読む(読んでもらう)ことを前提にするなら、ePub 化したファイルを配布する方が良いのかもしれない。

自分が書いたものを読むのにネットにつながなきゃならないってのもおかしな話だ。手元に取ってある HTML の原稿から ePub が生成できれば iPhone や iPad に詰めて持ち歩ける。なんか、それって良い方法かもしれないな。画像をどうするか。このブログの画像はすべて Picasa Web Albums に上げたものにリンクしている。無論、手元にもファイルとして残してあるが、それを利用しようにもリンクを書き換えなければならないし。

ePub 化することを前提にしたブログを書く環境が必要ということか……。ふむふむ。

関連リンク

関連記事

0 件のコメント:

コメントを投稿