2010-08-11

古い雑誌の記事や広告に見る懐しいコンピュータ

右の写真は、「UNIX MAGAZINE Classic with DVD」の内容物だ。雑誌の記事を収めた DVD 4枚組と特別号(?)が 1 冊。DVD には 1986 年の創刊以来、月刊誌最終号までの記事がほぼ丸ごと入っている。総容量は 13.3 ギガバイト。二十年がたった 13 GB に収まってしまうことを空しく見るか、それを可能にした技術の進歩に感心するべきか。

すでに書いたように、iPad に PDF 化された雑誌を詰め込んでいる。この DVD の内容も丸ごと詰め込んだ。iPad でパラパラとページを送りながら、一昔も二昔も前の記事を眺めていると、隔世の感とはこういうことを言うのかと実感できる。創刊号を始めとする初期の号に書かれているほとんどのコンピュータよりも、この iPad の方が高性能だろう。これらの時代をリアルタイムで経験した身には、何というか、何もかもがとても懐しい。

創刊号には、「低価格・高機能・4.2BSD搭載ワークステーション」と題した SONY の NEWS 発売のニュースが載っている。上述の DVD 付属の特別号によれば、創刊3号目には、この NEWS シリーズの広告が掲載されたそうだ(→ 特別号のページを iPhone で撮影)。

当時は、その破壊的な低価格もあって強烈に憧れたものだ。もちろん、いくら低価格だといっても当時の他のワークステーションと比較しての話で、「オレにも買える!」とはならなかった。

このとき発売になったモデルでは、プロセッサはモトローラ社製の 68020 (16MHz x 2)、メモリは 4MB、HDD が 156MB。ほら、iPad の方の方がはるかに高性能だ。

1988年12月号には NeXT 発表に関するの記事が載っている(→ iPad で表示させたスクショ)。

OSX で動く Mac は、それ以前の Mac の後継というよりも、むしろ NeXT というコンピュータがリンゴの皮をかぶっていると見る方が良い。これは OS のカーネルやら、各種フレームワークが NeXT の OS であった NeXTSTEP 由来のものであるからだ。そして、その系譜は iPhone や iPad にもつながる。

この記事にある NeXT は、プロセッサがモトローラ社製の 68030 (25MHz)と浮動小数点演算ユニット 68882 (25MHz)、メモリは 8MB、HDD はオプションで、補助記憶装置としては光磁気ディスク(256MB)が搭載されている。ほら、やっぱり iPad の方が高性能だ。

ちなみに、月刊誌として最終号となる 2006年4月号には Mac mini (Early 2006) 発売のニュースが載っている。これは Intel 版 Mac mini の最初のモデルで、Core Duo 1.66GHZ、メモリは 512MB、HDD は最大で 120GB。さすがに iPad よりも高性能かも。

ともあれ、こうして古い雑誌を眺めるのは意外に楽しい。ウェブのなかった時代の記憶として、こうした雑誌は貴重な資料でもある。上述の「UNIX MAGAZINE Classic with DVD」に付属の特別号の表紙に「いまある道具はなぜこの形をしているのか?」という問いかけが書かれている。これに答えるには過去を掘り起こすしかない。

ウェブ以前に刊行されていた他のコンピュータ関連の雑誌でも、電子化(PDF化)して、DVD で発売してくれると良いんだが。「bit」とか、また読んでみたい。

ググってみたところ「bit」(共立出版)の創刊は 1969 年だとのこと・・・。1969 年と言えば、アポロが月に着陸した年だし、Unix が生まれた年だ。ちょっとビックリだね。「bit」は 2001年4月号を最後に休刊状態だから、トータル 33 年分になる。70年代の「bit」には何が書かれていたんだろう?

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