- 13:01 納得した! → "@yoshikaw: "「一番いいおすすめを頼む」 〜5分でわかるレコメンドエンジンの基礎〜 (Gunma.web #3 2010/12/11)" http://t.co/PEtTmx6N"
2011-11-19
twitter より (2011-11-18)
2011-11-08
twitter より (2011-11-07)
- 11:14 Ruby 1.9.3 を Lion (+ xcode) でビルドする際の注意点が載っている。 → http://t.co/YC9ch0OT
2011-10-28
twitter より (2011-10-26)
- 11:20 MobileMe 時代には複数のMac間でMail.app上のローカルなメモが同期できていたのに、iCloudに移行してからそれができなくなった。もちろん、iCloud上にメモを作れば同期する。とはいえ、こういう仕様変更にはイライラさせられる。
- 11:31 やっぱりバグだったのかもな。ローカルなメモが同期していたのは。
- 12:01 iMac が Lion になって以来、スクロールバーが常時表示されないのはユーザ体験の観点から言ってどうかな、と思ってきた。が、これってデバイス(というか、Mac の機種)によって変わるのな。MacBook (Early 2008) を Lion に移行させて初めてわかった。
- 12:05 ちなみに、スクロールバーの表示方式は「システム環境設定」>「一般」>「スクロールバーの表示」で切り替えられる。デフォルトは「入力デバイスに基づいて自動的に表示」。当然のことだが、常に表示させるとコンテンツの表示エリアが小さくなる。
2011-10-21
Lion アップデート (10.7.1 → 10.7.2)
2011-08-26
twitter より (2011-08-25)
- 19:02 そうか。ジョブズが CEO 辞任したのか。彼のスピーチが見られなくなるとしたら、ちょっと残念かも。→ http://t.co/fsZWF6F
- 19:04 10年後に残っているのは何なのかな?Windows? Mac? それとも iPhone? どれも忘れられているんだろうな。
- 19:08 ソフトウェアっていうのは消してしまえるんだよねえ。物理的な実体をともなったサーバ設備を削除するのは簡単なことじゃないけど、仮想サーバなら管理者パスワードを知っていれば それができる。コワいわ。→ http://t.co/MxeL7D9
- 19:15 世界の仮想化(ソフトウェアへの移行)が進んだ状態では、パスワードによる直接的な権限認証方式は旧式に過ぎるのだろう。個人の認証ならパスワード(本人だけが知っている)でも良いとして、権限の付与や移譲はそれとは別の方式を採用すべきってことか。やはり確実なのは物理的な鍵か(・ω・)?
2011-08-20
2011-08-11
twitter より (2011-08-10)
- 09:58 すごいなあ。一度つぶれかけてたことが嘘のようだわ。 → アップル、時価総額で米国一に エクソンモービル抜く ( http://t.co/gL38GTQ )
- 10:03 とはいえ、盛者必衰は世のならい。やがては凋落していくんだろう。ただ、iPhone も Mac も今更他の機器に乗り換えたくない。あと 5 年くらいはがんばってほしいかな。きっとその頃にはまるっきり違うモノが出ている。
2011-07-30
twitter より (2011-07-29)
- 14:06 やっとわかった。なんで「システム環境設定」から消しちゃったんだろうな。 → Lionで操作スペースにソフトを割りあてる方法 ( http://t.co/S3rMPH8 )
2011-07-27
2011-07-22
twitter より (2011-07-21)
- 01:43 とりあえず imac を Lion に上書きアップデートしてみる。ただいまダウンロード中...
- 02:10 Lion へのアップデート完了(iMac)。AppStore でポチってから Lion で起動するまで 30 分かからなかった。
- 05:51 Lion になって、Safari の「進む」「戻る」ボタンの色が薄くなった気がする。
- 06:11 Lion のサーバ版は ¥4,300.- App Store のトップには並んでいないけど、検索すれば見つかる。
- 09:39 Air もそのうち終わるかも。プログラミングしないならキーボードつきの iPad とあまり変わらんものね。 → アップル、ホワイト「MacBook」をひっそりと提供終了 ( http://t.co/REGofZo )
2011-06-10
2011-06-09
twitter より (2011-06-08)
- 16:43 先日(6/6)の WWDC keynote がポッドキャストで配信されていた。いま、見終わったところ。Lion の紹介がある一方で、iOS 5 と言い、iCloud と言い、総じて「脱PC」をメッセージとして強く感じた。
- 16:48 Lion で興味を引かれたのは Autosave と Versions。明示的な「セーブ」操作をなくすのは「ユーザビリティ」上の大きな挑戦だと思うが、版管理(Versions)と組み合わせることでその飛躍を解消している。ただしユーザが受け入れるかどうかは未知数だけど。
- 16:51 Versions はデモを見る限りでは、アプリごとの Time Machine だ。アプリ側が意識することなく(つまり、そのためのコードを追加することなく)、このサービスを使えるのか、さらに旧版を保持するためのストレージがどこなのか、などはデモからはわからなかった。
- 16:55 Lion についてもう 1 点、特筆すべきは、Mac App Store のみで提供されるってことだろう。4GB 程度で HD の映画 1 本と同じぐらいとのこと。$29.99 で 7 月に発売。あと 1 ヶ月か 1.5 ヶ月ぐらいか。
- 16:57 iOS 5 の目玉は PC Free だろう。購入して Setup するときに iTunes につなぐ必要がなく、Software update もl OTA でできるようになる。iCloud とあわせれば Mac (あるいは PC) はもういらない、と。
- 16:59 まあ、Mac (や PC) が不要と言うよりは、Mac (や PC) が iPhone や iPad と同等になった、と見るべきか。もう、付属品(アクセサリー)じゃないのだ、と。
- 17:01 iCloud は Mobile Me の拡大後継サービス。対応アプリが増えて、無料になる。Mobile Me はどうなるんだ、と思っていたら、すでに移行(とサービス終了)の案内が出ていた。 → http://t.co/wPm76Tm
- 17:05 Apple に(安定した)クラウドサービスなんて提供できるのか、と思っていたら keynote の終わりで、新しいデータセンター作ったぞ、と自慢していたので何とかなるのかも。まあ、サービス開始当初は混乱するかもしれないけどな。
- 17:09 今回の keynote は全体的に地味な印象を受けた。これはハードウェアの発表がなかったからだと思う。次の iPhone はいつなんだろう。待ってるんだよ。今更、白モデルを買う気になれないんだから。
2011-06-05
twitter より (2011-06-04)
2011-05-31
2011-05-17
twitter より (2011-05-16)
- 02:55 近いうちに「解析概論」などが iPad で読めるようになるのか。 → http://t.co/UnnLnvn
2011-05-16
2011-04-28
2011-04-01
2011-03-31
Snow Leopard アップデート (10.6.6 → 10.6.7)
少し遅くなったが、うちの Mac たちの Mac OS X (Snow Leopard) をアップデートした。前回(→ 10.6.6)から約 2.5 ヶ月。
iMac & MacBook
iMac (Mid 2010) |
---|
サイズは 313.2MB。10.6.6 の2倍以上で、10.6.5 のときの半分。 |
MacBook (Early 2008) |
iMac と同じ 313.2MB。 |
About パネルは以下のようになった。
iMac (Mid 2010) |
---|
MacBook (Early 2008) |
Mac mini Server
Mac mini Server (Late 2009) |
---|
サーバ版は 381.8MB。クライアントよりも少し大きめ。しばらくアップデートをさぼっていたので、OS 以外にもいろいろと並んでいる。Xcode アップデートがここに並ぶのは珍しい(ひょっとしたら、初めて見たかも)。 |
以下は、Mac mini Server の About パネル。
Mac mini Server (Late 2009) |
---|
カーネルバージョン
ついでにカーネルバージョンも記録しておく。
[mini] mnbiwa% uname -a [~] Darwin xanadu.private 10.7.0 Darwin Kernel Version 10.7.0: \ Sat Jan 29 15:17:16 PST 2011; root:xnu-1504.9.37~1/RELEASE_I386 i386
[imac] mnbi% uname -a [~] Darwin avalon.private 10.7.0 Darwin Kernel Version 10.7.0: \ Sat Jan 29 15:17:16 PST 2011; root:xnu-1504.9.37~1/RELEASE_I386 i386
関連リンク
- 「Mac OS X 10.6.7」公開、セキュリティ修正を含むアップデート (INTERNET Watch)
関連記事
2011-01-21
twitter より (2011-01-20)
- 18:44 プログラム(コード)よりも、コンテンツを売り物にする傾向は加速するばかりだ。ふと思ったんだけど、自分の撮った写真で時計アプリを作れたらウレシイのかね? ウレシイのならそういうサービスが出てきてもおかしくないな。→ http://t.co/YEpyJWK
- 19:00 2月末か。日本でも同時期だとしても時期的にビミョーだな。→ http://t.co/AKtZ6Rv
2011-01-20
数学で犯罪を解決する ([著]キース・デブリン, ゲーリー・ローデン, [版]ダイヤモンド社)
数学なしには暮らせない
「数学なんて、日常生活で何の役に立つんだよ」と問われれば、「われわれは数学なしには暮らせない。知らないだけで、いつだって数学を使っているんだ」とチャーリーなら答えるだろう。チャーリーとは海外ドラマ「ナンバーズ」の主人公で、数学の天才。彼は著名な応用数学者にして、FBI の犯罪捜査に関するアドバイザーだ。
なんだ、フィクションの話か、と思われるかもしれない。もちろんドラマ自体はフィクションだが、登場する数学(のかけら)はフィクションではないし、実際に犯罪捜査に応用されている事実もあるようだ。
キース・デブリンによる「数学で犯罪を解決する」は、「ナンバーズ」で使われている数学を説明したものだ。これを読めば「ナンバーズ」自体はフィクションであっても、数学が犯罪捜査に役立つ(役立っている)ことがわかる。
数学は魔術?
ドラマの中で FBI の捜査官たちが求めるのは、数学を適用することで得られた分析の結果だ。犯人が誰なのか、どこに潜んでいるのか、どこを通って逃げようとするのか。つまりは、犯人を捕えるための決め手となる情報だ。それがどうやって導かれたものかは気にしない。劇中の捜査官たちは数学者(チャーリー)の説明を聞いて「魔術(ブードゥー)だ」とつぶやく。
シーズン 2 のあるエピソードでは、FBI が霊能力者を協力者として使う様子が描かれる。チャーリーはそれに強く反発するが、(チャーリーの兄をふくめた)捜査官たちにとっては数学者も霊能力者も同じに見えているのだ。どちらも彼らには理解できない仕組みで隠された情報を暴く。
充分に発達した科学技術は魔術と見分けがつかない、と言ったのはクラーク(→「クラークの三法則」)だが、数学はその最たるものかもしれない。
数学とはパターンを見つける方法
なぜ、数学を用いることで人の行動(犯罪者の逃走経路とか潜伏場所とか)を予測したり、言い当てることができるのだろう?
「画像エンハンス」(Chapter 5) のように犯罪捜査(と裁判)の直接的な証拠となる応用例もあるが、「ナンバーズ」で用いられる数学の多くは人の行動を分析し予測するものだ。典型的なのはドラマの第1話の連続殺人犯の活動拠点(自宅と勤務先)の場所を絞り込む手法だろう(Chapter 1)。
このエピソードでは、スプリンクラーから飛び出す水滴が落ちた場所からスプリンクラーの位置をつきとめる、という例え話で説明されている。同様に、複数の犯行現場から犯人の活動拠点をつきとめられる、というのがチャーリーの主張だ。物理法則だけにしたがう水滴と、自らの意思を持つ人の行動を同列に扱うことができるのはなぜだろう?
その根拠となるのは人の行動には(たとえ本人がランダムに見せかけようとしたとしても)パターンが現れる、というものだ。加えて、人は「ランダム=バラバラ」という偏見を持っている。犯行を重ねれば重ねるほどその場所は拠点の中心として同心円状に散らばっていく(実際の地理では地形や建物の状況、交通事情もあり円にはならない)。
完全にランダムなデータからはどんなパターンも読み取ることはできない。けれど、人の行動は(そこに意思がからむ以上)完全なランダムにはなりえない。そこには必ずパターンが生まれる。そして数学はパターンを見つけることに長けた人々が築き上げてきた体系だ。パターンを見つけ、記述するための道具がそこにはある。
数学を知らなくても暮らせる
たしかにチャーリーの言うように、現代の生活では様々な面で数学が使われている。けれど、その恩恵を享受するだけなら数学を知る必要はない。インターネットで買い物をするのに暗号の仕組みを知る必要はない。微分方程式が解けなくたってクルマの運転に支障はない。これは数学に限らず、人類がこれまで蓄積してきたあらゆる知識体系について言えることだ。iPhone のアプリを使うのにプログラミングの技術が必要ないのも同じ理屈だ。
もちろん、日常の生活の中でもパターンは生まれる。自分と自分の周囲のできごとを分析することでパターンを見つけ、将来に起きることを予測できるはずだ。しかし、そうする人は少ない。というか、そんな人はほとんどいないだろう。なぜなら、コストに見合わないから。データを収集し、分析し、パターンを見つけ、将来を予測する。どのステップにもコストがかかる。個人の生活では、そのコストに見合うだけの予測が必要になる場面はほとんどない。
(チャーリーのような)数学の天才は別として、「数学が役に立つ」ではなくて「(自分で)数学を知っていることが役に立つ」場面というのは、日々の暮らしの中では見つけられないだろう。数学はオモシロイんだけどな。
参考文献
「ナンバーズ」は DVD で観ることもできる。以下は「数学で犯罪を解決する」に数学的あらすじが解説されているシーズン 3 までのもの。シーズンを重ねるごとに数学風味が薄れてくるように思う。ま、それは仕方ないことか。
関連リンク
- クラークの三法則 (Wikipedia:ja)
2011-01-17
オフライン機能の実現 #6 (MacBloggerGlass)
GData API 経由で取得したフィードデータをローカルに保存できるようになり、すっかりオフライン機能が完成したと思い込んでいたが(→「FeedManager が完成 - オフライン機能の実現 #5」)、実はまだ未完成だった。というのも、フィードを保存するだけでは、テキスト以外のリソースは保存されないからだ。フィードには記事のテキストしかふくまれていないから、たとえばスクリーンショット画像を表示するにはやはりネットにアクセスしなければならない。
このブログで使っているテキスト以外のリソースは主に画像とスクリプトだ。画像はスクリーンショット等で使っているし、スクリプトは Gist でコードを貼り付けるのに使っている。
さて、この問題、どう解決したものだろう?
解決の方針
まず必要になるのは、リソース(画像等)をローカルストーレジの所定の場所に保存する仕組みだ。所定の場所はフィードと同様 ~/Library/BloggerGlass/<account>/<Blog ID> とする。ここにリソースのタイプごとにディレクトリを作って保存する。画像なら images、スクリプトなら scripts となる。このとき、ファイル名はリソースの URL から生成したハッシュ値を用いる。
次に必要になるのは、フィードのテキストから対象となるリソースの URL を抜き出す仕組み。さらには、その URL をローカルなファイルへのものに置き換える仕組みも必要だ。これは、すでに内部リンクの置き換えの実現で似たような処理を作り込んでいる。ここにはいくつか工夫の余地がありそうだが、動かすだけなら素直な(ただし愚直な)方法で実現できる。
関連記事
2011-01-16
Snow Leopard アップデート (10.6.5 → 10.6.6)
Mac 用の App Store のスタートにあわせて、Mac OS X (Snow Leopard) のアップデートがリリースされた。10.6.5 から約 2 ヶ月と短い間隔のアップデートだが、これは App Store 対応のアップデートだから(だと思う)。
iMac & MacBook
iMac と MacBook (クライアント版)の場合。
iMac (Mid 2010) |
---|
サイズは 114.8 MB。10.6.5 のときの 680 MB とくらべるとかなり小さめのアップデートだ。 |
MacBook (Early 2008) |
MacBook 用のサイズも iMac と同じ 114.8 MB だった。 |
About パネルは以下のようになった。
iMac (Mid 2010) |
---|
MacBook (Early 2008) |
Mac mini Server
サーバ版の場合。
Mac mini Server (Late 2009) |
---|
Server も client と同じサイズだ。 |
以下は、Mac mini Server の About パネル。
Mac mini Server (Late 2009) |
---|
カーネルバージョン
例によって、カーネルバージョンも記録しておく。これまで同様(→「Snow Leopard アップデート (10.6.4 → 10.6.5)」参照)、サーバとクライアントで同一になっている。
[mini] mnbi% uname -a Darwin mini.private 10.6.0 Darwin Kernel Version 10.6.0: \ Wed Nov 10 18:13:17 PST 2010; root:xnu-1504.9.26~3/RELEASE_I386 i386
[imac] mnbi% uname -a Darwin imac.private 10.6.0 Darwin Kernel Version 10.6.0: \ Wed Nov 10 18:13:17 PST 2010; root:xnu-1504.9.26~3/RELEASE_I386 i386
関連リンク
- 「Mac OS X 10.6.6」公開、Mac App Storeが利用可能に (INTERNET Watch)
関連記事
2011-01-15
最終定理 ([著]アーサー・C・クラーク, フレデリック・ポール, [版]早川書房)
言わずと知れたクラーク最後の長編。タイトルの最終定理とはフェルマーの最終定理のこと。数百年にわたり数学者を悩ました問題の 1 つで、1995 年にワイルズによって解決されたあれだ。数学者でなくとも数学好きなら中学や高校のときに一度は目にしたことのある定理だろう。
2 つの物語
これは 2 つの物語が(ほぼ)並列に語られる作品だ。1 つは主人公となるスリランカの数学者の半生を描くもの。もう 1 つは銀河間スケールで活動する知性体による人類粛清の物語。
主人公のランジットは数学を志す学生だったが、ひょんなことから海賊の一員と間違われ投獄、拷問の憂き目に会い、友人の尽力で解放され、最終定理の「簡潔な」証明を発見したことで著名な数学者となり、美人と結婚し、娘と息子に恵まれ、幸せに暮らす。
一方、いくつもの銀河に君臨するグランド・ギャラクティクスは、核をもてあそび始めた地球人類を有害な存在とみなし、従属する種属にその粛清を命じる。が、土壇場で気を変え、人類は滅亡を免れる。
2 つの物語は終盤でランジットの娘を接点として絡み合う。この点を除いて、2 つの物語は独立していると言って良い。ランジットはグランド・ギャラクティクスの決定に対して何ら特別な影響を及ぼさないし、グランド・ギャラクティクスとその従属種属は取りたてて(最終定理をふくむ)数学に興味を示しはしない。
絡むようで絡まない 2 つの物語。それがこの作品の特徴だ。
SF らしさ
SF として見るなら、本作はこれまで SF が生み出してきた楽天的なアイデアの数々を盛り込んだ作品になっている。世界政府しかり、宇宙エレベータしかり。さまざまな銀河種族に君臨するオーバーロード(超知性)も、今では懐しく感じる。これらを題材としたクラークの他の作品を思い出すのも楽しい。
また、あわや人類滅亡かという瀬戸際まで行くものの、最後は大団円で終わるところも、読後感すっきりの古き良き SF を思い出させる。
クラークと言うよりはポールの作品
全体の語り口を通して感じられるのは、フレデリック・ポールの作風。ことに異星人の描写ではそれが顕著だ。どちらかと言うと淡々と事実を叙述するクラークのそれとは異なり、描き方に起伏が感じられる。読んでいて「ゲートウェイ」のことを思い出した。とくに終盤で主人公(をふくむ人類)がマシンの中(のシミュレートされた環境)で生き続けるという辺りではその思いを強くした。
解説によれば、本作は、クラークが基本的なアイデアと原稿の一部をポールにわたし、ポールがそれをもとに書き上げ、クラークがチェックをして完成したとのこと。ポール風味になっていて当然か。
かといって、クラークらしさが感じられないかと言うとそうではない。とくに主人公が退屈な大学の授業の中で天文学の講義に魅せられる様子や、スカイフック(宇宙エレベータ)が登場する辺りは、クラークの SF 作品に多く見られる(というよりクラーク自身の)「宇宙への憧れ」がストレートに表われている。
不満は……
唯一の不満点はタイトルになっている「最終定理」が、物語の展開上、ほとんど意味のないこと。暴虐な異星人を撃退するために使われることもなければ、異質な知性とのコミュニケーションに必要なわけでもない。ただ、その証明が主人公のキャリアの転回点になったというだけの扱い。看板に偽りありだ。
ストーリー上、主人公が数学者である必然性はまったくないし、フェルマーの最終定理を持ち出す必要も感じられない。タイトルからイーガンの「ディアスポラ」ようなものを期待していると裏切られることになる。
この点に目をつむれば、読んでいて楽しく、読み終わって爽快な良作 SF だ。
参考文献
本作中で「スカイフック」として登場する宇宙エレベータについて知りたいならこの本を読むと良い。
宇宙エレベータを描いた SF ならこれ。シェフィールドの「星ぼしに架ける橋」(ハヤカワ文庫 SF)も有名だけど、こちらは現在では入手困難。
こちらは数学が物語に織り込まれた作品。
関連リンク
- An appreciation of Arthur C. Clarke (Official Google Blog; 90 歳のクラークのスピーチが見られる)
- SF作家Arthur C. Clarke死去 (スラッシュドット・ジャパン)
- フレデリック・ポール (Wikipedia:ja)
- フェルマーの最終定理 (同上)
- グレッグ・イーガン (同上)