2010-09-12

すべての無効化を許可、ってどういう意味?

Snow Leopard Server には、サーバ OS が提供する各種サービスを管理するアプリが用意されている(「サーバ管理.app」)。サーバ OS が稼動している Mac で使えるのはもちろん、(クライアント OS で動いている)別の Mac にインストールして使うこともできる。ウチの環境では Mac mini 上の Snow Leopard Server を管理するのに、iMacMacBook にインストールしてある。最近はもっぱら iMac からこのアプリ「サーバ管理.app」を使って、mini Server の設定変更等を行っている。

さて、このスクショを見てほしい。これは「サーバ管理.app」でウェブサーバのオプションを設定する部分だ。一番下に「すべての無効化を許可」という項目がある。これが何を設定するものなのかわかるだろうか? わたしにはさっぱりわからなかった。

Snow Leopard Server のウェブサーバとは Apache のことであり、「サーバ管理.app」で設定できるのも Apache のオプションだ。一般的には httpd.conf を書き換えることで行うことだが、Mac OS X Server では GUI を使って行える(すべての項目が GUI で設定できるわけではない)。

いくらウィンドウを眺めていてもわからないので、仕方なく英語版のマニュアルを見た。そこに書かれていた英語の表記のおかげでようやく意味が推測できた。

Allow All Overrides、の訳らしい

前述の英語版マニュアルの p.38 には「Configuring Website Apache Options」という解説があり、そこで↑のスクショにある各項目の説明が載っている。その中で「すべての無効化を許可」に相当する項目の説明はこうなっている。

(Mac OS X Server -- Web Technologies Administration Version 10.6 Snow Leopard; p.38)
Allow All Overrides: Instructs Web service to look for additional configuration files inside the web folder for each request.

「Override」を「無効化」と訳したのか……。訳語の選択にケチをつけたいわけじゃない。しかし、どんなオプションがセットされるのかが、この言葉からは想像できない。オプションの説明として付けられた文章も混乱を減らしてはくれない。

正直、説明部分の意味はよくわからない。むしろ、これは Apache の内部で起きることの説明だと思える。Apache は、「AllowOverride All」が設定されているリソースに対しては、リクエスト時に毎回設定ファイル(.htaccess)を見にいっているのだろう。けれど、それは管理者に説明するような内容だろうか? 管理者に必要な情報は、「AllowOverride All」を設定すれば、リソースごとに用意する設定ファイルでサーバオプションの上書きができる(それもサーバを再起動することなく)、ということじゃないか?

ちなみに、英語モードで「サーバ管理.app」を起動すれば、先のスクショと同じ部分がこうなる。

英語の方がマシなのは項目名が Allow All Overrides だという点。これは Apache のディレクティブ(AllowOverride)との対応が容易だから。このオプションをオンにすれば AllowOverride All になるんだろう、と想像がつく。

翻訳は難しい

Apache ドキュメントの公式な翻訳では「Override」に「上書き」という言葉を使っている(→ Apache コア機能: AllowOverride ディレクティブ)。こっちの方が一般的な訳語だと思うよ。

後から知ったことだけど、このオプションの意味がわからなかったのはわたしだけではないようだ(→ .htaccessが動きません)。

わたしが感じた混乱は、Apache のこと少しは知っている → AllowOverride なら下手に訳さない方が意味がわかる → 「すべての無効化を許可」って何?、という流れで起きたものだったのかもしれない。いっそ、Apache の設定のことをまったく知らなければ、素直に理解できたのかも。……。いやいやいや、それはないって (; ゜Д゜)。

関連リンク

関連記事

0 件のコメント:

コメントを投稿