2010-09-09

iPhone シミュレータをウェブページの作成に活用する

おそらく、iPhone や iPad 向けのウェブページを作っている人はみんなとっくに気付いていて、当たり前のように実践しているに違いない。最近になるまで気付かなかったわたしが間抜けなのだ。それは、ウェブページの見た目(やウェブアプリの動作)の確認に iPhone シミュレータを使うという方法だ。

もちろん、実機で確認する方が確実だし、最終的には必須でもある。しかし、ページを作っている最中にちょっと確認するのであれば、シミュレータを使うのもありだろう。何より、Mac の中で完結できるから、手軽さで実機を使うことに優る。また、Mac の Safari でユーザエージェントを切り替えたり、ウィンドウサイズを iPhone や iPad に合わせるよりも簡単だ。

起動、そしてデバイスの切り替え

まずはシミュレータのありか。

/Developer/Platforms/iPhoneSimulator.platform/Developer/Applications

このシミュレータは iOS SDK にふくまれているものなので、iOS SDK をインストールしていない Mac ではどんなに探しても見つからない。ちなみに、iOS SDK のダウンロードだけなら無料でできる(開発者としての登録は必要)。

通常、iPhone シミュレータは Xcode の中から起動するから、単独のアプリだとは気付きにくいけれど、上記の場所に iPhone Simulator.app として存在している。Finder からダブルクリックすれば、通常のアプリと同様に起動する。

iPhone シミュレータという名前だが、iPad シミュレータにもなる。それには、メニューから「ハードウェア」>「デバイス」で目的のデバイスに切り替える。バージョン 4.1 では iPad、iPhone、そして iPhone 4 の 3 つから選べる。また、シミュレートする iOS のバージョンも別途選べるようになっている。ただし、デバイス専用のバージョンを選ぶとデバイスも同時に切り替わる(例: 3.2 は iPad 専用)。

ちょっとおもしろいのは、iPhone 4 を選んだときだ。iPhoen 4 の画素数そのままに巨大なウィンドウが表れる。iPhone のときの 4 倍(タテ、ヨコ、それぞれ 2 倍)だ。まあ、これでは Retina ディスプレイのシミュレートとしては不足だけどね。肝心の解像度(326ppi)を再現できていないのだから。

使い方は iPhone (や iPad) と同様。ただし、タッチスクリーンではないから、タップはクリック、スワイプはドラッグになる。また、マウス単独では不可能なマルチタッチのピンチオープン、クローズには Option キーを併用したドラッグとなる。Magic TrackPad の場合はそのままのジェスチャになればウレシイんだが、残念だけどそうはなっていない。

シミュレータの Safari でページを見る

シミュレータと実機の比較
シミュレータ
(iPhone)
実機 (3GS)

これは、実際にシミュレータと実機でこのブログを開いたときのスクショだ。それぞれを見ればわかるが、見た目の差はないと言って良い。フォントの種類もサイズも同一。行の高さも、折り返す位置も同じ。

ウェブアプリとなると実行速度や搭載メモリの差、さらには特性の差(センサー類は使えない)が差異として表れるかもしれないが、ウェブページの見え方を検証するのであれば、シミュレータも十分に役立つ。

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