2009-11-06

10歳になったGoogle ([著]Googlerたち, [版]Official Google Blog) #9

もう一年以上前になるけど、Google が 10 歳の誕生日を迎えたときに、一連の記事がOfficial Google Blog に投稿された。それからしばらくして、ふと思った。これを読めば、Google の目指す姿が見えるだろうか、と。当時、10 本あった記事(その後、少し増えたようだ)のうち、断続的に 8 本まで読み、それぞれコメントを自分のブログに書いた。そこで止まっていた。それがずっと気になっていた。

ブログも新しくしたことだし、残りの 2 本も読んでしまおうと考えた。で、そのうちの 1 本を、今、読んだところ。あれから 1 年以上ってことは、もう 11 歳なんだけどね (タイトルが期限切れだよ)。

The next Internet -- Posted by Vint Cerf, Chief Internet Evangelist (9/25/2008)

WWW 出現以前のインターネットでは、コンピュータと人を「つなぐ」ことがすべてにおいて重要だった。TCP/IP というプロトコルはもちろん、各種のサービス(とそのクライアント)はつながることを最重要課題としてきた。WWW 以後、インターネットに「コンテンツ」が流れ込んできた。それが Google を始めとする検索エンジンを生み出すことになった。続く10年間では、人はさまざまなモノにつながることになるだろう。デスクトップコンピュータや、ケータイのような情報端末を通してネットにアクセスできるだけではない。眼鏡やカバンやクルマの鍵といった、身につけるものがネットを経由して人々とつながる。もう、眼鏡を探して家中を歩き回ることはない。ケータイを通して Google に聞けば良い。「わたしの眼鏡はいったいどこにあるんだ!?」。「あなたの頭の上ですよ」、すぐに Google が教えてくれる。

前半をざっと読むとこんな感じ。その後、動画配信と電気分配の話題を経て、こう続く(↓)。

A box of washing machine soap will become part of a service as Internet-enabled washing machines are managed by Web-based services that can configure and activate your washing machine. Scientific measurements and experimental results will be blogged and automatically entered into common data archives to facilitate the distribution, sharing and reproduction of experimental results. One might even imagine that scientific instruments could generate their own data blogs.

洗濯機の話はどうでも良い。おもしろいのは後半。ネットにつながった実験機器がブログを書く(生成する)かもよ、ってところ。何がおもしろいかって? 実験データやら観測データがネットに流れるということは、そう、Google の手が届くってことだ。世界中のあらゆる実験や観測の結果が Google に集積されるってことだ。それがどうした、って? まず、他の誰かがやっている実験や観測のデータを簡単に参照することができるようになる。次に、それら膨大なデータの処理に Google の計算パワーを使えるってことだ。

ちょっと想像してみてほしい。世界中にいるプロやアマチュアの天文学者が夜空を観測するために望遠鏡を設置する(自動観測だとしよう)。解像度(っていうのか?)も様々な望遠鏡だが、みなネットにつながっていて、観測したデータは丸ごとネット上に公開されている。それを Google がかき集めて、比較、対照、検証やら何やらを計算パワーにあかせて行う。もちろん、Google Galaxy を作るためだ。そのついでに太陽系をうろつく彗星の発見なんかも自動的にやってしまう。人はいらない。機器とGoogle(のコンピュータ群)だけで完結する世界。

ちなみに、この記事の執筆者である Vint Cerf は「インターネットの父」(の一人)と呼ばれる人物。Google に入ったのは 2005年9月だとのこと(Wikipedia:ヴィントン・サーフ より)。

関連記事

0 件のコメント:

コメントを投稿